ぷれいろぐゲームが好きやねん

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マミー

【太宰治『駈込み訴え』がすきという話】

とある男がとある男へ抱く愛憎をひたすら訴える話、『駈込み訴え』。
音声で聞きたくなってyoutubeで検索してみたら朗読動画があったので2本視聴しました。やっぱ良~…。




あんまり意識してなかったけど、声に出して読むと50分くらいかかる作品だったんだ。勢いのある話なせいか、そんなに長いとは思ってなかったなぁ…。

最初から感情のままに息せき切ってまくし立てる印象で読んでいたので、西村俊彦さんの方がイメージに近い。金を引っ込めろ!と怒鳴るシーンも西村さんの方が好きだなぁ。ニヒルな笑い方は鳥海浩輔さんの方が好き。

「私に無理難題押し付けておいてお礼も言わない!」と憤慨した直後に、「それでもあの人は美しい人なんだ」って急に骨抜きになったようにうっとりした語調になるところは、イメージしてた読み方じゃなかったゆえに「ああそうだよな」ってぞくぞくした…。

…と、あらためて『駈込み訴え』を味わってみて。
ずーーーーっと「あの人」への感情が迸っている作品だけど、その中にあって一番感情が爆発しているのは「金が欲しくて訴え出たのでは無いんだ。ひっこめろ!」の部分なんじゃないかなと。

これ、本当の本当に最後の良心というか、越えてはいけない一線だった気がする。

「あの人」への感情は二転三転するけど、「あの人が死んだら私も死ぬ」という覚悟だけは作品中ずっと一貫してますよね。
「心から愛した美しい人のために死ぬ」「憐れなあなたを殺してその罪を負って死ぬ」…。意味があると思える美しい死。

でも最後の最後に、「旦那様」から金を受け取ることで「金で売られるようなしょうもないもののために死ぬ」と、相手を貶めることで自分の命も軽くしてしまっている…ように見える。
「私」は「あの人」への思いを語る中でずっと、自己愛について語っているようにも感じるんですけど、そんな彼が、あんなに拘っていた自己愛を、金で売ってしまったのが一番の悲劇な気がして…。

「私」、「「あの人」を愛せた自分」が誇らしくて嬉しかったんだろうなぁって………。畳む


#読書感想文

PROFILE

ゲームに関する記録や落書きや考察など。世界観やキャラクター造形が作りこまれている物ほど好きで、ホラーとオープンワールドが苦手です。

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