憑依する時械神遊戯王都市伝説


間に合わせで組んだ時械神デッキを使ってみた時に、「選択肢の少ないデッキだな」と思ったことがある。
手札に偶然あった時械神を場に出し、相手のターンはほとんど見守るしかない。しかも放っておけば次のターンには勝手にデッキに戻ってしまう。 翻弄されている、と思った。プレイヤーより時械神の方がよっぽどデュエルの主導権を握っているように感じたものだった。

小野監督のポストで時械神の設定が少しだけ明かされたことがある。 それによれば、時械神の正体は「空の鎧に憑依した天使」らしい。顔は鏡に映し出されているだけで本体は別のところにいるのだと。

時械神は、憑依する。

時械神デッキを使ってみた際の、主導権を渡してしまったような感覚が想起される。

ところで、時械神はカードのモンスターではなく本物の神様だという説があるのをご存知だろうか? その神が独自の意思と目的を持ってゾーンのそばにいたとしたら。そして彼らの本質は憑依することだったとしたら……。

これからするのは、最終決戦時のゾーンが時械神に憑依され、乗っ取られていたら……という話。

! Caution !

公式設定とは一切関係ありません

小野監督が発信されたものや、アニメやカードの設定を一部参考にしていますが、それらはあくまで考察のきっかけに過ぎません。 原作要素や他サイトを引き合いに出してそれらしく語っていますが、一個人の考えた与太話ですので、あらかじめご了承ください

真面目な考察ではありません

原作や俗説に屁理屈で味付けした二次創作です。結構無茶苦茶なことを言ってますので、真に受けちゃダメです。 あくまで都市伝説的に、「もしこうだったら怖いよね〜」のノリで読んでください。

神話について不勉強です

神話について全く素人の人間が書いています。不正確、不適切と思われる表現があるかと思いますがご容赦ください。神話、宗教について貶めたり批判する意図は決してありません。

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この話は「二次創作」「未来組」について興味と理解のある方向けのものであり、検索避けを施した当サイト内での展示を想定して書いています。 SNSなど不特定多数への共有、拡散はご遠慮ください。

人間に憑依する神

そもそも、遊戯王5D'sは神が人間に憑依するような世界観なのか。
それがはっきりと表されているエピソードがある。『紅蓮の悪魔』だ。

紅蓮の悪魔、スカーレットノヴァに導かれて辿り着いたナスカの地下神殿にて、ジャックは紅蓮の悪魔の僕と戦うことになる。勝てば望みが叶う、負ければ体を奪われるという契約の儀式だ。 紅蓮の悪魔の目的は、魂の器に相応しいジャックの体を乗っ取り現世に復活すること。神が人に憑依し乗っ取ることに他ならない。

冥界の王に選ばれたルドガーも「正気が保てなくなる」と言い、ゼロリバースの引き金を引いた。神によって思考だけでなく振る舞いも支配されるのだ。

ではZ-ONEの場合はどうだったか。

遊星vs Z-ONE戦にて、くず鉄のかかしでミチオンとハイロンのどちらの攻撃を無効にするか、という場面がある。 このシーンでは「最初のモンスターで牽制し、とどめは次のモンスターに託す」という判断により、ミチオン→ハイロンの順で攻撃が行われた。 まるでZ-ONE自身が考えた結果このような順番になっているように見えるが、実は別の見方も存在する。

Z-ONEが使用するカードは、ユダヤ教の神秘思想カバラにおける天地創造を図式化した『セフィロトの樹』をモチーフにしている。 セフィロトの樹は10の球体(セフィラ)と22の小径(パス)で構成されており、それぞれのセフィラは「第1のセフィラはケテル」「第2のセフィラはコクマー」というように1から10の数字で表すことができる。
また、セフィラそれぞれに守護天使がついており、この守護天使が時械神のモチーフとなっている。

セフィラ 守護天使 時械神
1.ケテル メタトロン 時械神メタイオン
2.コクマー ラツィエル 時械神ラツィオン
3.ビナー サフキエル 時械神ザフィオン
4.ケセド ザドキエル 時械神サディオン
5.ゲブラー カマエル 時械神カミオン
6.ティファレト ミカエル 時械神ミチオン
7.ネツァク ハニエル 時械神ハイロン
8.ホド ラファエル 時械神ラフィオン
9.イェソド ガブリエル 時械神ガブリオン
10.マルクト サンダルフォン 時械神サンダイオン

以下は、遊星 vs.Z-ONE戦における時械神のアクションである。

①メタイオン召喚→②ラツィオン召喚→②ラツィオン攻撃→③ザフィオン召喚→④サディオン召喚→⑤カミオン召喚→③ザフィオン攻撃→④サディオン攻撃→⑤カミオン攻撃→⑥ミチオン召喚→⑦ハイロン召喚→⑧ラフィオン召喚→⑨ガブリオン召喚→⑩サンダイオン召喚→⑥ミチオン攻撃→⑦ハイロン攻撃→⑦ラフィオン攻撃→⑨ガブリオン攻撃→⑩サンダイオン攻撃

……文字に起こすとこのように非常に見にくいので、ぜひ実際に見返していただきたい。

このようにセフィラの番号を時械神に当てはめると、6がミチオン、7がハイロンとなる。
先述したくず鉄のかかしのシーンで、時械神の攻撃はセフィラの順番通りに行われたことになるのだ。

それどころか、時械神の召喚と攻撃全てがセフィラの順を辿っているのである。

この戦いの前のアポリアvs.Z-ONE戦でも①メタイオン→②ラツィオンと召喚されており、デュエルが長引いていれば、このままセフィラの順でデュエルが展開されていたと思われる。 プレイヤーのZ-ONEではなく、何か別の力によってデュエルが行われていたとは言えないだろうか。

別の何者かに導かれて、という描写は作中に意外と登場する。
先に例に出した『紅蓮の悪魔』回のラストでは、赤き竜が紅蓮の悪魔さえも利用して、ジャックにバーニングソウルを会得させたのではないか、と遊星が口にする。
チームラグナロク戦のジャックとドラガンのデュエルでは、因縁のデュエルの序盤と全く同じ手札、盤面が展開される。ドラガンは「女神」と表現していたが、赤き竜と三極神が関わっていたとも考えられる。

Z-ONEについても同じことが言えそうだ。 Z-ONEという人格をベースに、思考や振る舞いを時械神によって補正されていた(歪められていた)、というあたりが妥当だろうか。 きっとZ-ONEには神の憑代となる素質があったのだ。何せ、すでに一度、英雄の人格を自身に植え付けているのだから。

時械神の目論見

時械神がZ-ONEに憑依していたとして、では何が目的だったのか。

彼らの目論見を知る手掛かりになるのが、時械神をサポートする罠カード『虚無械アイン』『無限械アイン・ソフ』『無限光アイン・ソフ・オウル』だ。 これらのカードのモチーフはカバラにおける天地創造である。

  • アイン(0)はヘブライ語で「無」、カバラ思想で「宇宙が創造される前の何もない状態」
  • アイン・ソフ(00)はヘブライ語で「無限」、カバラ思想で「神」
  • アイン・ソフ・オウル(000)はヘブライ語で「無限光」、カバラ思想で「『旧約聖書』の天地創造の起源である光」

以上をそれぞれ意味し、アイン(無)からアイン・ソフ(無限)、アイン・ソフ(無限)からアイン・ソフ・オウル(無限光)が生じる宇宙の創造を表している。 Z-ONEの「無は無限となり、」というセリフはまさにこの天地創造の過程である。

この罠カードが示しているのが時械神の目的。
つまり、「新たな天地創造のために、現在のすべてを宇宙が創造される前の何もない状態まで戻すこと」こそが時械神の目的だったのではないか。 多くの時械神が「カードをデッキに戻す効果」や「ライフを4000にする効果」を持っている。これらは「デュエル開始時点に戻す」ことだとも解釈できる。

アインは数字で「0」と表すことができる。「無(アイン)に戻す」を「0に戻す」と読み替えれば、「ゼロ・リバース」という言葉が浮かび上がってくる。
イリアステルの構成員を名乗る男に唆されてルドガーは冥界の王に与し、ゼロ・リバースを引き起こすことになったが、あの惨事を真に引き起こしたのは時械神だったとしたら。

そのゼロ・リバースも宇宙を無の状態に戻すために起こされ、しかし時械神から見れば都市を二分する程度の影響しか及さなかった。 その結果を踏まえ、時械神は第二の計画を実行に移す。アーククレイドルをネオドミノシティ上空に召喚し、最大規模のモーメント2基をぶつけることで現在全てを消し飛ばす計画だ。

阿久津による予測では「被害はネオドミノシティから半径数百キロ」とされていたが、それは恐らく「アーククレイドル級の質量が単純に地表に激突した際の衝撃」のみを指したものである。

思い出してみてほしい。冥界の王が赤き竜を打ち滅ぼしたあかつきには、世界の理が崩壊し、全てが死者の世界へと塗り替えられるのだ。 時械神が勝利し計画が完遂された場合にも、時械神版の世界の再構築が行われたことだろう。

全てを、無かったことに。

それはある意味、人類にとって究極の救いではあるかもしれない。
しかしそれに対抗したのが赤き竜、シグナー、そして今を生きる人々だった。 進化の象徴、リミットオーバーアクセルシンクロによって召喚されたシューティング・クェーサー・ドラゴンの攻撃名は『天地創造撃 ザクリエーションバースト』。 時械神が目論む「無からの天地創造」に、「今の積み重ねの進化による新たな天地創造」をもって相対したのである。

神々による地球の覇権争い

つまり遊星vs.Z-ONE戦は、赤き竜と時械神の直接対決でもあった。
というより、遊戯王5D's全体が神々の戦いを描いた物語だったと言える。

赤き竜の伝説が語られたフォーチュンカップ編、赤き竜と冥界の王の戦いが描かれたダークシグナー編、イリアステルの陰謀と三極神が姿を表すWRGP編、そして時械神との直接対決となるアーククレイドル編。
恐らく、現在の地球の支配権は人類と赤き竜にあり、ダークシグナー編までの話はこれまで地球上で5000年周期で繰り返されてきたのだろう。モーメントがあろうと無かろうと、地球の神々の争いは起こっていたのである。

しかし、時械神の介入によってそのサイクルが崩される。よってスカーレットノヴァや三極神も目覚めることになり、神々の戦いはこれまでに類を見ない規模となってゆく。 「神々の運命」あるいは「神々の滅亡」の意味を持つチームラグナロクが登場するのも、意味深に思える。

赤き竜は人に、冥界の王は地中に、三極神は古代の遺跡にそれぞれ眠っていた。あくまで、地球の内側のみで神々は争っていた。 しかし時械神、機皇帝は石板の形で宇宙から飛来する。地球に根差した他の神と違い、地球の外側からやってきた神(侵略者)である可能性も考えられる。

モーメントは神の道具

神々の戦いを「地球の覇権争い」と表現してきたが、より具体的に言えば「遊星粒子のコントロール権をめぐる争い」ということになるのだろう。恐らく地球上にしか存在しない粒子であり、神の力を大きく引き出す物である。

遊星粒子はモーメントのエネルギーとして人間が使う物、という扱いになっているが、その力が強く働く際には必ずと言っていいほど神が関係している。
例えば、ゼロリバースはルドガーに宿った冥界の王の力によって引き起こされた。
例えば、遊星とジャックのデュエル中に赤き竜が出現した際にはモーメントは異常なほどの出力を見せ、またフォーチュンカップの会場でシグナーを特定するためにもモーメントが利用された。
例えば、三極神の力を利用して虹の橋ビフレストを架ける際にも、そのリソースとして旧モーメントが使われた。

もしかしたら、モーメントやその動力源である遊星粒子は、もともと神々に由来するものであり、神々のための道具なのかもしれない。 しかし、その正当な使用権は神々のみでなく、その眷属である人間も有している可能性がある。
アーククレイドル出現時、アーククレイドルのモーメントのマイナス回転の影響で地上のモーメントが正常に稼働しないという場面がある。しかしその状況下でも、三極神のルーンの瞳を持つ者、赤き竜の痣を持つ者たちは問題なくモーメントが動力源の乗り物を使用している。 神々と契約した人間、神々に選ばれた人間には、モーメントの力をコントロールする権利が与えられると考えられる。

ではアンチノミーは?
彼もマイナスモーメントの影響下で問題なくDホイールを駆っていた。

それはもちろん、彼も神に選ばれた存在だからだ。 その神とは言わずもがな時械神。この点も、「時械神が赤き竜らと同等の神格である」という説の根拠とすることができる。

人の手には余るほどの莫大なパワーを秘めているだけに、選ばれた人間にしか扱えないという制約があったのだろう。
しかしそんな神の道具である遊星粒子は、不動博士によって発見され、広く人類に貢献するようモーメントとして機械化された。 そしてそれを未来の世界で人々が欲望のままに稼働させ続けた結果、神々の怒りに触れることになった。

モーメントが本来神の道具だったとすれば、そこから生み出された機皇帝たちも神と無関係とは言えまい。 しかも∞(無限≒アインソフ)がモチーフとしてあしらわれている点、名にアインを冠した機皇兵がいる点を根拠にすれば、機皇帝と時械神を結びつけることもできそうだ。
……機皇帝は時械神の手先であり、未来において人類を抹殺したのも元を辿れば時械神の意思だった可能性もある……のかもしれない。

冥界の王に選ばれるためには死者にならなければならなかったが、それと同じような条件が時械神にもあるとすれば、機械の体であることではないだろうか。 三皇帝やアポリア、アンチノミー、パラドックスは完全にロボットであるし、ゾーンも生命維持装置と一体化しほぼ機械の体となっている。
機皇帝を構成するパーツがアタック(A)、トップ(T)、ガード(G)、キャリア(C)という、DNAを構成する塩基と共通する記号であることは不気味な事実だが、死者を統べる冥界の王が世界を冥府へと塗り替えようとしたように、時械神の眷属である新人類として機皇帝(機械の体を持つ生命体)を地球の支配者に据えようという腹づもりだったのだろう。

神と人の物語

ここまで読んでくれた方の中には、もしかしたら「あの熱い物語が、遊星やZ-ONEたちを利用した神々の代理戦争に過ぎなかったなんて」と落胆を覚える方もいたかもしれない。
しかし、神々の戦いに人間が介在させられていたからこそ、私たちはそこに信念やドラマを見出すことができる。

時械神は「間違っていた『これまで』は、間違った『これから』しか生まない。だから全てを『無かったこと』にしよう」と唆す。 だからこそゼロ・リバースを天変地異と偽り、あれは仕方がなかったのだと覆い隠して、人々がモーメントとの関わり方を考え直す機会を奪った。
時械神の目指す「天地創造=リセット」は、「あらゆる可能性の否定」に他ならない。積み重ねによる成長も、過ちの修正も放棄した、全く中身のない、ただ無為に時間が流れるだけの世界が時械神の世界なのだろう。 人を知らない外宇宙の神は、過ちを事実として認めることさえできない。

しかし人は過ちや傷からでも新たな可能性を見出すことができる。 過酷な状況であろうと、だからこそ手に入れられる力、得られる出会いがあることを知っている。
そしてその可能性を信じて前に進む限り、それを守る赤き竜は惜しみなくその力を貸してくれることだろう。

信じるか信じないかはあなた次第。
ライディングデュエル・アクセラレーション!(締めの挨拶)

参考元

時械神の設定についての小野監督のポスト

"時械神は鎧に憑依している"
https://x.com/katsuono/status/35620498708631552?s=46&t=DDo8nuxblFcYw8jnAVfvmg

時械神 -遊戯王カードWiki

"召喚/攻撃順がセフィラの順と同じ"
https://yugioh-wiki.net/index.php?%BB%FE%B3%A3%BF%C0

《無限光アイン・ソフ・オウル》 -遊戯王カードWiki

"アイン~アイン・ソフ・オウルの天地創造"
https://yugioh-wiki.net/index.php?
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機皇帝 -遊戯王カードWiki

"機皇帝のパーツが塩基と同じ記号"
https://yugioh-wiki.net/index.php?%B5%A1%B9%C4%C4%EB

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